かしいのドイツ美大留学日記

2023年10月からドイツの国立美大でデザインを勉強中✍️ ドイツ生活のエッセイ漫画やお役立ち情報を発信します!

【ドイツ美大留学】実技試験 受験レポート⑦ マインツ大学 コミュニケーションデザイン科 - 2022/23冬セメスター入学

ドイツ美大留学を目指しているかしい(@kassy_art)です!
2022年5月にマインツ大学(Hochschule Mainz)コミュニケーションデザイン科(Kommunikationsdesign)を受験しました。
そのときの記録をこの記事にまとめています。

マインツ大学(Hochschule Mainz)とは

ラインラント=プファルツ州の州都のマインツにある一般大学。
ファインアート専門の美術大学であるKunsthochschule Mainzとは別。
インテリアデザインコミュニケーションデザインメディアデザインの3コースがある。
コミュニケーションデザイン科では、イラストレーションの教授がいるのが珍しい。
応募にB2が必要と書いてありましたが、実際にはマッペの応募時は語学証明は必要ありませんでした。
入学後2ヶ月後までにB2が提出できればいいようです。

Fachbereich Gestaltung - Hochschule Mainz Der Fachbereich Gestaltung gliedert sich in die drei Fachrich www.hs-mainz.de  

マインツ大学デザイン科の入学試験の流れ

一次試験:マッペ(ポートフォリオ)による審査
二次試験:実技試験2種類(コンセプトとビジュアリゼーション)、口頭試験(グループディスカッションとプレゼンテーション)

二次試験は2日間あり、
1日目:実技試験① × 4時間、 実技試験② × 4時間
2日目:口頭試験 × 3時間(実質的な作業時間は1時間)

でした。

5/1 マッペ応募〆切
5/10 マッペ合格者に実技試験の案内
5/23 9時〜13時 実技試験①(コンセプト)
5/23 14時〜18時 実技試験②(ビジュアリゼーション)
5/24 9時、12時、15時の3グループに分かれて2時間半〜3時間程度の口頭試験(グループディスカッション、プレゼン)
5/30 最終合否連絡

口頭試験=面接だと思って準備していたのですが、実際にはがっつりドイツ語でグループディスカッションとプレゼンテーションでした。
ほかの大学では口頭試験は英語で話す、という抜け道があったのですが、マインツ大学ではドイツ語オンリーで対応する必要がありました。

応募したマッペはこちら

Mappenberatung(マッペの添削会)にも参加したのですが、応募者の中から選ばれた人のみがフィードバックをもらえる方式でした。
添削対象には選ばれなかったので個人的なフィードバックはもらえませんでしたが、ほかの人のフィードバックから全体的な傾向をつかむことができました。

マインツ大学の実技試験

事前に持ち物が指定され、リモートで行われました。

  • A3画用紙

  • A4普通紙

  • 鉛筆

  • クレヨン

  • 太いマーカーと細いマーカー

クレヨンとマーカーを持っていなかったので新しく買ったのですが、実際には画材自由な課題が多く使いませんでした。

実技試験①:コンセプト

頭の体操のような問題で、発想力をテストされました。
最初の30分で教授が設問用紙を画面共有しながら設問意図を説明します。
また、不明点がある場合は質疑応答もできました。

  1. ドイツ語の好きな単語と、その理由を短く書いてください。
    (発音が美しい単語、外国語に翻訳できない単語など)

  2. 「」のような格言を、自分の生活にあてはめて5つ作ってください。

  3. Potsdamsterdam(ポツダムアムステルダム)のような2つの都市名を組み合わせて作れる単語を5つ以上書いてください。

  4. Laustige, Lösungen… のように、同じ発音から始まる単語を8つ並べて自由な詩を作ってください。

  5. 「Q」はドイツ語で最も使われないアルファベットです。人々にQをもっと使うように説得するには何を言うべきでしょうか?

正直、1番と4番あたりはドイツ語の単語力が弱すぎて全然思いつきませんでした。
非ネイティブのハンデをひしひしと感じます…。

また、各設問の回答をタイポグラフィーで作字しなければいけないと思って焦っていたのですが、おそらく普通に回答してよかったみたいです。
もちろん読みやすいことは大事ですが、デザイン能力ではなく純粋に発想力のテストだったんだと思います。

実技試験②:ビジュアリゼーション

実際に作品をつくる能力を試される試験です。

  1. 架空の海洋生物の展示のポスターを3種類つくってください。
    画材は自由。テキストはいれないでください。(80分)

  2. AIが私たちの生活に与える影響について、1つまたは2つ以上作品をつくってください。画材や素材は自由。(80分)

  3. 紙を折ったりくしゃくしゃにして、面白い建造物をつくってください。
    それを写真に撮り、2枚のドローイングを完成させてください。
    画材は鉛筆、ペン、マーカー、クレヨン、パステルなど。(80分)

1と2については、完成作品に加えてスケッチなどを何枚でも提出してOK。
時間がタイトなため、何かしら思いついたらすぐ手を動かすという感じでした。

実技試験①と②の作品はそれぞれPDFにまとめて提出。
PDFにまとめる時間は、試験時間の4時間とは別に余裕を持って〆切が設定されていました。

マインツ大学の口頭試験

4人グループになって好きな映像を1本決め、「その映像はなぜ魅力的なのか」を1チーム5〜10分で発表しました。

  1. まず4人グループに分かれ、ディスカッションする。

  2. 1チーム5〜10分(1人2〜3分)でディスカッションした結果をプレゼンをする。(スライドの画面共有やホワイトボード機能、スケッチブックをカメラに掲げるなどして説明)

  3. プレゼン内容に基づき、試験官からそれぞれのメンバーに質問されるので答える。

正直、グループディスカッションは苦戦しましたが、説明する映像作品が千と千尋の神隠しに決まり助かりました。
作業の分担が終われば、自分のパートの内容を考えるだけで済みます。
グループディスカッション自体は面接官は聞いていないので、その後のプレゼンだけが採点内容です。
話す内容を日本語で考えて、DeepL翻訳にかけてそれを読む(なるべく棒読みにならないように)でなんとか対応しました…。
1チーム5〜10分の制限時間でしたが、どのチームも15分くらい話していた気がします。

試験結果

面接の結果は…

合格

でした!

これは嬉しい!

これまで受けた大学の中でどこよりもかっちりした実技試験でした。

ドイツ語能力もかなり高いものが求められ、ごまかしが効かない感じはしました。
ドイツ語B2の証明ができなくてもマッペの応募自体はできるのですが、ある程度ドイツ語能力がないと実技試験の突破が難しそうです。
二次試験に進んだのが80人程度で、合格は48人と二次試験に進みさえすれば合格率は高めだったみたいです。

これからHochschule Mainzを受けようと考えている方の参考になれば幸いです!

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germanlife.hateblo.jp

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