ドイツ美大留学を目指しているかしい(@kassy_art)です!
それまでは会社員で美術経験はほぼありませんでしたが、2020年12月から29歳で美術予備校に通い始めました。
2022年冬セメスターでの入学を目指して、ドイツの美術大学のコミュニケーションデザイン科を受験したときのレポートです。
ドイツの美術大学の受験プロセス
ドイツの美術大学では、入学試験は2つに分かれていることが一般的です。
一次試験では、自分の作品をまとめたポートフォリオ(マッペ)を送ります。
一次試験に合格すると、二次試験の実技試験と面接が受けられます。
合格倍率は学校や学科によって異なりますが、だいたい
一次試験→300〜500人の応募
二次試験→50〜100人程度に絞る
最終合格→15〜30人程度
と、合格率5〜10%の狭き門です。
受験した美術大学
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1/26 ベルリン・ヴァイセンゼー美術大学(Kunsthochschule Weißensee Berlin)/ 二次試験不合格
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3/13 ハレ・ブルグ・ギービヒェンシュタイン美術学校(Burg Giebichenstein Kunsthochschule Halle)/ 二次試験不合格
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4/14 ニュルンベルク美術アカデミー(Akademie die Bildenden Künste Nürnberg) / マッペ不合格
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4/29 ケルン応用科学大学 文化学部 国際デザイン科(KISD: Köln)/ 合格!
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4/30 カールスルーエ造形大学(HfG Karlsruhe)/ 二次試験不合格
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4/30 プフォルツハイム大学(Hochschule Pforzheim)/ 二次試験辞退
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5/1 マインツ大学 (Hochschule Mainz) / 合格!
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5/19 ミュンスターデザインスクール(MSD Münster)/ 合格!
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5/21 ベルリン芸術大学(UdK Berlin)/ マッペ不合格
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5/23 ブレーメン芸術大学 (Hochschule für Künst Bremen) / 合格!(ただしその年の入学許可は出ず、1年後に入学許可をもらう)
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5/29 ヴュルツブルク・シュヴァインフルト応用科学大学(FHWS)/ 二次試験辞退
2022年1〜6月の時点で、ドイツ語B1レベルでも応募が可能な大学に応募しました。
本当はB2を取得したかったのですが202年3月に受けた際に落ちてしまい、応募時にはB2以上のドイツ語証明が不要なところをかたっぱしから全14校に応募しました。(うち2校は辞退)
デザイン科を志望したのが遅く、とにかく合格率を上げるためにはチャレンジする回数を増やすしかないと思いました。
結果、5月末に3校、7月上旬に1校合格することができました。
二次試験の内容については別の記事に詳しく記載しています。
受験してみた感想
二次試験まで行けばかなり受かる確率が高いのではと思いきや、容赦なく落とされました。
6校連続で落ちたときは「狭き門すぎる…」と思ったものです。
マッペで不合格になった大学も理由は大体想像できて、基本は大学が教えている内容とのミスマッチだと思います。
私の場合はイラストレーションを志望していたので、イラストレーション専門の教授がいない大学はだいたいマッペで落ちました。
事前のMappenberatung(マッペの添削会)で大体の感触がつかめるので、Mappenberatungに参加するのはめちゃくちゃ大事です。
HGB Leipzig
Mappenberatungで「イベントのポスターやCDアルバムのジャケットなど、文字込みでデザインした作品が見たい」と言われたのに無視してアニメーション作品を作ってしまいました。
でも、このとき作ったアニメーションが結果的に別の大学に合格するきっかけになったので結果オーライでした。
HFBK Hamburg
カリキュラムにイラストレーションがありませんでした。
Studienberatungで「イラストレーションをやりたいなら別の学校へ」とはっきり言われました。
ABK Stuttgart
Mappenberatungの予約が気づいたら埋まっていて受けられず、かつ受けたいと思う教授もいませんでした。
カリキュラムの一環ではイラストレーションも扱っているようですが、専攻して教えている教授はいないようです。
留学生は学費が高くなるので、もともとあまり志望度は高くありませんでした。
AdBK Nürnberg
Mappenberatungを3回受けたものの、「イラストレーションやアニメーションをやりたいなら他の学校をあたったら?」と勧められました。
このときFriederik Girst教授にHochschule Mainzを勧められ、受けたら受かりました。
作品へのアドバイスだけでなく、進学先のアドバイスまで的確なのはすごいです。
UdK Berlin
複数の大学のテーマ課題を同時に進行する中で、UdKのテーマ課題にかけられた時間が圧倒的に足りず…。
マッペも動画が1分半までで自分が一番自信のあるアニメーションが提出できなかったので、少し消化不良になってしまいました。
一次試験に応募したマッペ
学校によって微妙にマッペの要件が異なるため全て同じものを提出したわけではないですが、スタンダードなものを載せておきます。
だいたい20作品程度、30〜40ページが目安でした。
その後
第一志望であるブレーメン芸術大学に進学しようと考えていたのですが、なんと試験に受かったにもかからわず入学許可をもらえませんでした。
どこにも書いていなかったけれど、実際の定員より多く試験の合格者を出していたそうです。
しかも最悪なのは、ブレーメンに行けると思って第二次志望であるマインツの入学手続期限をスルーしてしまっていたこと。
問い合わせたものの「もう入学手続き期限は過ぎているので2022/23冬セメスターの入学はできません」という無慈悲な返信…。
仕方ないので、急いでまだ期限内だったケルンの入学手続きをしました。
マインツも2023/24夏セメスターなら入学でき、またブレーメンも2023/24冬セメスターに入学できる可能性があるとのことで
ケルンに1セメスター行く→マインツに1セメスター行く→ブレーメンに行く(来年入学許可が出たら)
というめちゃくちゃバカなスケジュールになるかもしれません。
バカすぎるので早くブレーメン芸術大学から補欠合格の連絡が来てほしいです。
みなさん、入学許可証がもらえるまで決して油断しないでください!!!
ドイツ美術大学のコミュニケーションデザイン科を志望している人にとって、少しでも参考になれば幸いです!
追記:
さすがに1セメスターごとに大学を変えるのはバカすぎるので、ケルンで1年勉強したあとでブレーメンに移動できるよう待つことにしました。
1年後に運よくブレーメン芸術大学から入学許可をもらえたため、2023年10月からブレーメン芸術大学に転籍しました!
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