ドイツ美大に留学中のかしい(@kassy_art)です!
この記事では、「ドイツの美術大学に留学したい!」と思い立ったときに、「ドイツ現地で準備すべきか、日本で準備してから渡航すべきか」という問題に答えます。
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結論
時間やお金に余裕がある方や英語やドイツ語がすでにできる方→ドイツ
お金に余裕がない方、英語に自信がない方→日本
をおすすめします。
ドイツで準備を進めた方が、現地で直接キャンパスを訪れて雰囲気を確かめられたり、ドイツ語で生活することでドイツ語能力を身につけやすいからです。
ドイツの大都市は英語が通じるので、英語ができる人であればドイツ語能力がそこまでなくても渡航して問題ないです。
日本で留学準備することも可能です。
お金や言語に懸念がある場合は、日本である程度準備してから渡航するのは現実的な戦略です。
また、ドイツ生活に慣れるまでに時間がかかって制作に集中できなければ元も子もありません。
2020年〜2022年はコロナの拡大を防ぐため例外的にリモートでの美大受験が可能でした。
ただ、2023年以降は徐々に現地での実技試験開催に戻っていくと考えられます。
受験自体はドイツ現地で参加する必要があることを念頭において、準備を進めるとよいと思います。
ドイツ現地で入学準備をする場合
ドイツで語学学校と美術予備校に通いながらポートフォリオ制作をします。
18〜30歳であればワーキングホリデービザ、それ以外であれば語学学校ビザ、進学ビザなどで入国して長期滞在しながら準備できます。
メリット:言語・情報面
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日常生活を送ることで、ドイツ語能力が向上する
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オープンキャンパスなどで実際に大学を訪ねられる
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作品を直接教授に見せてMappenberatungが受けられる
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実技試験を現地で受けやすい
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ドイツで友人をつくれば、現地の情報を得やすくなる
やはり、実際にドイツ現地の雰囲気を体感できることがメリットです。
日常的にドイツ語に接するので、ドイツ語能力も向上させやすいでしょう。
デメリット:お金・生活面
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家探しなど、生活が落ち着くまで時間がかかる(1か月程度)
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慣れない生活でストレスがたまるリスク
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バイトしづらい
ビザにより労働可能時間や内容が制限されます。
ワーキングホリデービザはフルタイムで働けますが、1つの場所での就労は6ヶ月までです。
進学ビザだと1年目はバイトができず、2年目からバイトできます。
語学学校ビザはバイトできません。
ドイツ語が全くできなくても日本料理屋などで働けます。
ただ、こうした職場は労働条件が悪いことが多いので、最低賃金がきちんと支払われるよう契約内容をきちんと確認してください。 -
語学学校に長期間通わないとビザが発行されない(ワーキングホリデービザ以外の場合)
ワーキングホリデービザで入国する場合は語学学校に通う必要がありません。
しかし、語学学校ビザもしくは進学ビザを利用するには語学学校への長期間の通学が必須になってしまいます。
ドイツ語を1から学ぶ人は問題ありません。
ただ、すでにある程度ドイツ語ができる人の場合は滞在費にプラスしてお金がさらにかかってしまいます。 -
美術予備校での指導内容がわからないリスク
作品制作では抽象的な概念を説明しなければならないこともあります。英語やドイツ語能力が十分でないうちは、表現したいことをうまく伝えられないかもしれません。
日本で留学準備をする場合
メリット:お金・生活面
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実家暮らしの場合、生活費を節約できる
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バイトで好きなだけ稼ぐことができる(年間103万円目安)
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世界堂などで質が良く安い画材を手に入れられる
慣れた日本で生活できますから、制作に集中しやすいのがメリットです。
労働にも特に制限はありませんから、バイトするもよし、フリーランスで働くもよしです。
デメリット:言語・情報面
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ドイツ語学習をサボりがちになる
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現地の雰囲気がわからず、学校の志望理由を明確に持ちづらい
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Mappenberatungやオープンキャンパスが現地のみ開催の場合があり、機会損失になる(特に絵画などファインアートの場合)
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卒展(Rundgang)を直接見に行けない
2020〜2021年はコロナ禍で日本にいた方が安全だったため、多くの学生が日本の美術予備校に通って進学準備をしていました。
一方で、「ドイツに一度も行ったことがない」という人も多く、留学後のイメージを持ちづらいのが共通の悩みでした。
「作品制作とバイトで忙しくて、なかなかドイツ語学習が進まない」という人も多かったです。
1年〜1年半でB1〜B2レベルにまでなれば上々という感じでしょう。
C1レベルが必要な大学に行くのであれば、2年は準備が必要です。
まとめ
私自身はコロナ禍で渡航できなかったため日本で留学準備をしましたが、「現地に行けたらな」と感じることが多々ありました。
「最初の半年は日本で準備して、受験の時期になったら現地で受験できるようにドイツへ行く」もアリだと思います。
ただ、生活に慣れるのには時間がかかります。
マッペ制作で忙しくなる受験期に渡航するよりも、余裕がある時期に渡航した方がラクなのではないかと思います。
どちらにせよドイツでも日本でも準備はできるので、最初の一歩を踏み出すことが大事です!
あなたのドイツ美大留学を応援しています!